第66話踏み越しちゃった

「ひどく声が掠れているな。あまり考えすぎるな」クリフトンは彼女のわずかに腫れた唇を見つめ、喉仏を動かした。「ここで待っていろ。水を持ってきてやる」

そう言うと、彼は掛け布団を退けることもなく、その長い脚をすっと伸ばしてあっさりとベッドから降りた。

その身のこなしは滑らかで淀みがなく、いっさいの躊躇いもなかった。

ミランダは彼のその行動を目の当たりにして、一瞬、思考が完全に停止した。

次の瞬間、何かに気づいたように彼女の瞳孔が限界まで収縮した。あまりの衝撃に、握りしめていた掛け布団がずり落ちることすら気づかない。

「あなたの脚……! 脚が治っているの!?」

昨夜のあれは、てっきり幻覚...

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